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心霊研究部番外編vol①『韮山廃火葬場跡』狩野川台風の犠牲者たちへのレクイエム [心霊研究部番外編!]

『見えない何かは怖いもの。だから見ればいい、知ればきっと怖くなくなるのよ^^』

 

 子供の頃にグランマ(おばあさま)に教えられたのデス。

 当初は何を言ってるのかよく分かってなかったと思います。

 でも大好きなグランマの教えだし、頭の片隅には残っていた。

 

 子供の頃は暗がりが怖かった。・・・何かがそこにいそうで。

 子供の頃は1人が怖かった。・・・何かが私を見つめていそうで。

 

 大人になった今時分でも、やはり外灯の無い暗い道を歩くことには躊躇することがある。

 見えない、視界が悪いというのは人を不安にさせる。

 それは仕事にも当てはまることなのかもしれません。

 知らない仕事を宛がわれた時は不安になったりすると思います。

 知らない、見えない、分からないってことは『怖い』のですよね。

 

 ある子供の時ーーー

 テレビで心霊現象の特集が組まれていた。

 怖がりの自分は絶対見たくない番組でした。

 しかも、なぜかその日はお留守番。

 家にはたった一人の私だけ。

 普通なら裏番組のスポーツやバラエティーを見て留守番の気を紛らわして帰ってくる家族をひたすら待っていれば済む話だったのだけれど・・・

 なぜか私は毛布にくるまって、そのチャンネルをガチャガチャと選択してしまった。

『怖いもの見たさ』なんでしょうか?

 もしくは何かを知りたいと思ったのか。

 今ではよくわかりませんが。

 

 テレビに次々と映し出されるゴーストのフォトに、寒気と共に下半身がギュッとさせられる。

 ううう・・・オシッコしたいデス^^;

 でもトイレまでの道のりがとても怖かったので暗がりに電気をつけに行くことすら出来ずに我慢していたと思います。

 そして負けました。

 ジョジョジョジョ・・・・

 暖炉前のカーペットにゆっくりとじわじわ広がる私のオシッコ。

 腿を伝う温かいものが実にキモチ悪い・・・

 でも止まらない。

 はうう・・・・

 さすがにこれはお着替えしないと^^;

 でもバスルームはトイレの更に奥の闇の彼方・・・

 そして迫る家族の帰宅時間。

 意を決して私は普段見慣れているはずの暗闇へと突入することにーーー

 

 ま、結局は暗がりという『見えないなにか』に負けて、電灯のスイッチを押すことすら出来ずに帰ってきた母親にこっぴどく折檻されたノデス^^;

『見えない何か』より『人』のほうが怖いということを知った。

 でも、こんなヘンな理由ではあるけれども、

 見えない何かに負けたくない。

 知ればきっと怖くない!と、ゴースト関連に執着していった気がしていますーーー

 心霊研究部番外編スタートです☆

リンダ・韮山廃火葬場跡地へ.jpg

 心霊研究部副部長こと私『リンダ・ルンバ』は、

 静岡県の伊豆地方のある一角に赴いたのデス。

 

RIMG0131.jpg

 実はワタシは学生の身分ではあるけれど、自家用車を所有してたりするのデス。

 でもジャパンのローカルトレインでの移動や旅路も大好きだったりなんデース^^

 で、今回は心霊研究部に相応しい感じで、プチ心霊スポット探訪をトレインを乗り継いでやってきたと言うわけデス☆

 大学が夏休みということもあるのですが、ナニブン、うちの部長がサークル活動に積極的でないので、

 せめてワタシが部の存続を兼ねて心霊研究レポの旅って感じだったりデス^^;

 

 静岡県は伊豆の国市(旧、韮山町)に、

『ゴーストハンターも躊躇してしまう』と言われる最強のスポットがあると首塚部長に言われて興味を持った私は

 韮山駅という、周りに田畑ばかりの駅に降り立ったのデース。

 なんでも通称『韮山臨時火葬場跡地』と言うらしいデス。

 

 火葬場跡・墓地というのは基本的にゴーストがワンサカって一般の人はイメージすると思いますデース^^

 でもデス、

 実はそれほどでも無いのですよ。

 

 何しろ丁寧に無き身柄と魂を供養する場所であるから、属に言う『怨念』やら『未練』などと言う概念とは、意外と程遠い場所なのデスカラ。

 イメージが火葬場・墓場=死人ってだけであって、

 別段、ここにゴーストが多いってわけでも無いのデス^^

 

 ただ、『自分のお墓ってしっかり供養してくれてるんかな?』って、こっそりとゴーストが見に来ることも多い場所かもしれませんね♪

 ナニブン、日本のゴーストさんたちはこの時期『お盆』とかいう風習も多くありますし、

 仏壇前・墓場の行ったり来たりで何かと忙しいから、うっかり見えちゃうこともあるでしょうw

RIMG0132.jpg

 さて、ワタシは今回、

 駅からその場所への移動手段としてローラーブレードを用意しましたデス。

 駅チカ物件とは言えども徒歩では意外と距離があるとリサーチ済みでしたので、

 こののどかで真夏の青々とした田畑を横目にガアーーーーガアーーーーとブレードを滑らせて目的地へと向ったのでした。

RIMG0133.jpg

 よく言えば素敵な田園風景。その向こうにはジャパンと言ったらこれですよね!と言わんばかりのマウント富士の雄大な裾野の景色です☆

 でもぶっちゃけ何も無いところでした。

 シーズンを終えた、この地の名産イチゴ狩りの枯れたビニールハウスくらいしか特に無かったデス^^;

RIMG0134.jpg

 駅から数十分。

 県道136号へと折れ曲がった。

 元役場(今は市になったので出張所扱いの役所)の近くに『それ』はあると情報を得ていたので、少しドキドキしながらもブレードを滑らせた。

 するとーーー

 田んぼの海の中にポツンと島のように佇む一角を左手に見かける。

 そこへと繋がる農道へとワタシは気を引き締めて向った。

 

 ・・・ンッ!?

 そこで違和感。

 

 農道へと入った私は一旦減速し、遠目にしばらく確認の為に『そこ』を見つめて立ち止まっていたのだけれど、

 なぜか『背中を押される』感覚に見舞われた。

 

 つまり、簡単に言うと平坦な農道であったのに、

『勝手にゆるやかに足が運ばれた』

 

 まるで見えない子供が『こっちだよ・・・』と、一生懸命ワタシの背中をうんしょと押しているかのようにーーー

 

 自分の意思か風の所為か、はたまた霊の導きなのかはわからないけれど、いつのまにかその一角の前にワタシは佇んでいた。

RIMG0135.jpg

ストリートビューから韮山廃火葬場跡.jpg

 立ち入り禁止の札の掛かったフェンスに囲まれた小さな小さな敷地だったデス。

 ここがマニアで噂される『韮山廃火葬場跡地』なのか。

 中に見えるは、ヘンな盛り土と、

 その横に小さく鎮座するーーー

RIMG0136.jpg

RIMG0137.jpg

『浄』と記された慰霊の碑のみ。

 

 かつては建物の一部が残存していたらしいのですが、今はこういう感じらしい。

 

 これこそ夏ですよね!ってくらいの青空に囲まれた昼間に訪れただけあってか、別段重々しいものをここに感じることは無かった。

 

 でもーーー多少異質な雰囲気も感じ取れたデス。

 

 本来なら先ほど前述したように、ワタシは墓場や火葬場に霊が多く蠢くだなんて思ってない。

 でもここは少し歴史の観点からニュアンス的に異質だったりもするのデス。

 

1983年ごろの韮山臨時火葬場?.jpg  

 実はここは『臨時の火葬場』だったのです。

 

 昭和33年、この地に暴力的な災害が訪れる。

 その名もこの伊豆を代表する河川から名をとった『狩野川台風』

 その被害はまだ今のような治水もままらない当時に甚大な犠牲者を生み出した。

 死者・行方不明者1269名

 住家の倒壊など16734戸

 歴史的に見てもジャパン史上最悪の部類の台風災害だったのデス。

 この地の不安定な治水事情を鑑みて建設されていた狩野川放水路の完成間近での大水害だったのは皮肉なところと言われていますデス・・・。

 

 台風が去った後はまるでかの大戦を思い出させるほどだったと当時の方達は語っています。

 臨時に用意された高校の体育館にも遺体がおさまらず、

 そして火葬場も間に合わない状態だったと。

 そこで臨時に火葬場を建設することになった。

 そこがここ『韮山廃火葬場跡地』ということのようデス。

 

 臨時の役目を終えたこの地は直ぐに解体される話であったようですが・・・

 これもまたよくある話ではありますが関係者に『よくないこと』が多く見受けられ、見送りに見送りを重ねて時が過ぎたと。

 そしてようやく近年に解体が行われ慰霊の碑がポツンと田んぼの海に浮かぶような今の状況になった、と。

  

 ワタシは火葬場やお墓などは供養された土地であるから霊もなにも無いと思っていましたが、ここは事情が違うようです。

 きっと・・・ここは浮かばれない死を迎えた人もたくさんいたのでは?

 ・・・そう思いますデス。

 ワタシは暫く胸に手を当て祈りました。

 そして、ここは忘れてはいけない場所なんでは無いかと思ったのデス。

 54年前の霊に日本式に手を合わせてワタシはこの地を後にするのでしたーーー

 

ぶらっくちょいのり・基本・アイコン.jpgここまで読んでくれてアリガトウ!

ギャル魅・基本・アイコン.jpgちょちょちょちょ!? ご主人たまぁ?

 なななななんでこっちでメインブログの記事やるのよw

せつこ・基本・アイコン.jpgそれはアレっしょ? 心霊系は嫌がる人も多い記事だからって、マイナーなこっちに掲載したってことっしょ。

ぶらっくちょいのり・基本・アイコン.jpgまあそうだな。

 心霊うんぬんならともかく、火葬場なんてキーワードはさすがにドン引きだと思うしな。

 とはいえ、結構真面目な記事なんだぞ?

 常々地元で昔起こった大災害とはどんなものだったのかと思っていたのだが、

 まさか廃火葬場というキーワードから繋がって歴史を振り返れるとは思っていなかったぞ。

 番外編ではあるけれどもオイラにとっては結構『特別』な記事だったりだ。

 また、こういう機会があればコチラにも寄稿するかもしれんね^^

ギャル魅・基本・アイコン.jpgま、ここはなんでもありブログですしィ~、ドンと来い!ですからね☆

せつこ・基本・アイコン.jpg更新頻度すっくねーっすけどねw

ぶらっくちょいのり・基本・アイコン.jpgいいのだ。悪魔は期待を裏切るのが仕事だからな!

ギャル魅・基本・アイコン.jpgせつこ・基本・アイコン.jpgダレも期待とかしてねーし

ぶらっくちょいのり・基本・アイコン.jpgそういう罵声もごほうびだ。悪魔は基本的にM属性だからなw

 

 

 


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下総弾正くま

なんとなく怖いゲームをやりたくなり、中古で買ってきて部屋をわざわざ暗くしてプレイ…気付いたら夕方で部屋中暗くなって怖くなった…そんな社会人1年生のある日がありました(((゜Д゜lil)))

それはどうでもいいとして、「廃墟=心霊スポット」っていうのはやめて欲しいですね…(・_・;)
一口に廃墟と言っても歴史上、あるいは建築史上価値のあるものもあるわけで、そういったことを理解しない好奇の輩に踏みにじられるのは霊でなくても怒り心頭…(o-_-#)=o)゜Д゜)・。
by 下総弾正くま (2012-08-10 22:46) 

ちょいのり

それは常々思うなあ^^

廃墟=心霊スポットって言うのは、まあ・・・学生までは許してあげてもいいけれど、
その廃墟の成り立ちをもう少し考えて色々知って欲しいところでもありますね^^

by ちょいのり (2012-08-10 23:05) 

ねこじたん

なぜだか コワイマンガとか すごい読んだの
だ〜か〜ら〜
鍵〆がこわいのだ!
by ねこじたん (2012-08-11 06:43) 

YUTAじい

おはようございます。
おれは霊とか信じないと云う人程・・・。ですね。
真面目で勉強になる記事ですよ。
by YUTAじい (2012-08-11 08:31) 

吟遊詩人41

火葬場って、そうそう移転するものじゃないから、、、

前例がないですねえ^^;

普通にいるでしょ(-_-)ニヤリ
by 吟遊詩人41 (2012-09-30 20:25) 

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