琴音の煉瓦刻印発見録♪『JR水戸線・福原駅ランプ小屋の刻印☆』 [琴音の煉瓦刻印発見録♪]
『煉瓦探索してて初めて他人様に怒りを覚えた』
今まで煉瓦構造物をカメラに収め、その行動に対して、
道行く人の視線が冷ややかなこともあった。
また興味を持たれて近づいてくださる御人も数多くいらっしゃった。
・・・でも今回ばかりは非常に腹立たしい出来事に遭遇したの。
人の趣味はコアであるほどディープであるほど理解されにくいのですが、
『そこまでわざわざ言いますかっ!?』ってことがあったとです^^;
怒りに任せて書きなぐりたいところではありますが、
貴重な発見ですし、やんわりと書こうと思うよ(自分に言い聞かせ)
ではではスタートっす。
やって来たのは最近お世話になってるJR水戸線の『福原駅』
なんでお世話になってるかと言うと位置ゲー『レキシトコネクト』の育成でよく通るだけw
おや?
水戸駅行きのホーム上に何か怪しい物件が見えてきたっすよ(*´д`*)
さっそく近づいて見るとお~~~
じゃじゃーん!
来ました『ランプ小屋☆』
もしくは『危険品庫☆』
ランプ小屋とは、まだ電化・電灯もままならない時代、明治大正期などに保線用の灯り・照明用の燃料など可燃性が高くて危険な物を収納しておく倉庫として造られた建物っす。
特に煉瓦は耐火の面でとっても重宝されたそうっす。
かつては国営鉄道の駅にはあたりまえにあったらしいんすが・・・
今や全国でも煉瓦造りのランプ小屋は19~20数棟しか無いそう^^;
いつもこの駅で下車してじっくり眺めたいなあ~って思ってたんすが、が!
なんせJR水戸線は平均でも一時間に1~2本の運行しか無くって・・・(昼間は特に)
下車したら次の電車が1時間後って考えると躊躇してたのだw
でも今回はゲーム目的じゃなく『コレ』が目的。
待ち時間を費やす用に雑誌も買ったのでもう完璧!
ではでは舐めまわすように観察しましょうず(*´д`*)
見た感じ、特別な積み方はしてないね。
でも正面は左と右で何故か違う。
左手はひたすら長手積みなのに
右手側は小口・小口・小口積み。
入り口の上面にはコンクリ。
ん?
おや?
その隅っこになんかラベルっぽいのあんぞ???
建物財産標?
どうやら特にかつての国鉄の建築物にはこのタグと言うかプレート表示が義務付けられていたみたいね。
そこには建物の竣工年や目的などが刻まれているっす^^
危険品庫1ってのはよくわからないけれど、
『T-2』ってのは竣工年だと思うっす。
つまりはこのランプ小屋は大正2年に建築された古い建物ってことっすね☆
ランプ小屋は駅のホームと駅舎外に鎮座。
ではでは、まずホームから見える部分で煉瓦ちゃんの刻印とか探しちゃおーっす(*´д`*)
!?
ホーム側正面の軒下には特に目ぼしいものは無かったのだけれども、
建物右手の側面の突き出した煉瓦ちゃんに紋様らしきものが!!!
ズームアップしてみるとーーーー
ん!?
間違いなく煉瓦の刻印!
カタカナの『リ』と、後、なんだろ?
わかんないけれど何かこのカタカナのフォントを見たことがあるような気がする。
もう一つはーーー
これまたなんて表現していいのかわかんないんだけれども、
こっちもかつて私は見たことあるような煉瓦刻印だなあ~と思った。
さて、PASMOをピッとして駅舎の外へ。
周りは人っこ一人いない^^;
ホーム側からは見えない部分も観察することにしようず。
入り口に対して丁度裏手に来ました(左手側面は何もなかったので省略)
ここも薄いですが軒下の煉瓦の平面があったので、煉瓦刻印が無いかな~と覗き込んだ。
すると!
!!??
ぐは!
二輪の輪っかの刻印、
つまりはかつて東京の葛飾区辺りにあった金町煉瓦(金町製瓦工場)の刻印じゃなーい(*´д`*)
こっちも薄っすらだけれども
金町煉瓦の二重の輪っかにカタカナの『リ』
先ほど見かけた怪しい刻印も、かつて金町煉瓦の刻印を見かけた煉瓦構造物にチラホラ見かけたものでもあったりしやす。
・・・と言うことは?
少なくともこのランプ小屋は金町煉瓦製。
もしかしたら他の煉瓦会社の製品も混じってるのかもしれないけれど、
こんだけ見たことのある刻印が集まっている。
つまりは先ほどの怪しい刻印も金町煉瓦の異種か亜種ーーーなんじゃないかな^^
実はここに来る当初は、他の煉瓦会社の製品なんじゃないかとも思っていた(地理的に近い?下野煉瓦とか)
でも意外な発見!
ここまで煉瓦に関わってくると、小さな発見でも興味が尽きないの☆
二重の輪っかの刻印以外にも金町さんは刻印をもってた!?とか、
もしかしたら水戸線に扱われた煉瓦の橋梁なんかは全部金町製なのかな?うふふ(*´艸`*)ってね!
思わずワクワクしちゃった(*´д`*)
ここからは電車を待つ時間つぶしに用意した雑誌などには目もくれずに、このランプ小屋をカメラのファインダーにおさめ、
時に自分なりに考察し
そして何度もランプ小屋の周りをグルグルしてたのです。
それは自分の趣味として『当たり前の至福な時間』だった訳っす^^
でもそこに『悪魔がやってきた』
私がニンマリ顔でランプ小屋にカメラのレンズを向けている時だったっす。
駅舎併設の駐輪場辺りからフラフラと酒に酔ってるんだかわかんないけど、おじいちゃんが近づいてきた。
そして私のその様を見るなり、
『なんだそんな煉瓦。そこらへんにいくらでもあるじゃねーか。何を物珍しく見てんだ!』と、
私に視線を向けることなく、
でも明らかに私の行動に対してわざわざ難癖をつけてきた(大きな声でつぶやいた)んすよお・・・
カチン!と来たよ?
それに対して。
でも『そう言うこと言う人もいるだろうな。趣味として理解されない部類でもあるし・・・』と、本当は吐き出したい言葉も飲み込んださ。
でもさ、更に私に視線は合わさずにおじいちゃんは続けたのさ。
『こんな煉瓦そこらへんにいくらでもあるじゃねーか。何が楽しいのかw』と。
はあ!?
はああああ!!??
幾らなんでもひど過ぎる!
わざわざ難癖つけなくったっていいじゃない!
滅多に他人様に怒らない私でも、どう考えても私に対して言ってきたそのご老人に噛みついてしまったっす。
別に普通に通り過ぎればいいじゃない。
わざわざ何でそー言うこと私に言うの???
『すいません。でもここにあるのは大正期からあり、日本でも20と無い貴重な煉瓦のランプ小屋なんですよ?』と言うと、
『そんなのいくらでもあるだろ。バカ言うな』
歩みを止めず、でも明らかに私に向けて口ずさむ。
はあ?
はああ!!??
まあ・・・いいや。それも一応堪えてやる。
理解してないじいちゃんに、私は少し抑えつつも、でも幾らか牙のある感じで言い返した。
『じゃあーおじいちゃんの言うそこらへんにあるって言う煉瓦の場所教えてくださいよ。地元の人?だったら教えてくださればそこに行きますから^^;』って。
そしたら返ってきた言葉が
『そこらへんだよそこらへん。何が楽しんだか』って。
はああ?
流石に切れたね。
私は切れた。
コアな趣味は理解されにくいとは言ったけれども、
それ以前の問題っすよこれって・・・
この福原駅、
実は平成の世になって駅舎が改築された。
言っちゃーなんだけれども、場所的に考えるとシンプルだけれどもとっても小奇麗な駅舎へと変わった。
そしてその際にランプ小屋の撤去も危うい感じだったのかもしれないけれどもこうして残されたの。
それはこのランプ小屋の歴史が認められたからだと思うの。
地元の人がその価値観に気づいたのかは分からないのだけど、
すくなくともこの水戸線、そして福原駅に携わってきた方々にとっては『残すもの』と言う価値観のもとに今も尚取り壊されずに現存してる訳。
煉瓦のれの字も知らなかった頃なら『変なじいさんいるな~w』って笑ってスルーしてたかもしんない私。
で・も、
でもどうしても許せなかった私は、なぜか歩みを止めずに歩きつつ私に悪態をつくじじいに抗議しながら論戦っす☆
『おじいさんの言うそのそこらへんにあるっちゅー煉瓦を教えてくださいよ。だったら今からそこに行くからさあ(ホントは、オイてめー口調)』
『わざわざ難癖つけることは無いんじゃないでしょうか?(そんな優しい口調じゃねー)』
でも返ってくるその答えは『そこらへんにいくらでもあるじゃねーか。珍しくもねえ』
・・・だ。
分かち合えないとかそういうレベルじゃねーし!
・・・こんなにも侮辱されたのは初めてです・・・。
結局、その後はどうしたかって?
本当は胸倉掴んで一発お見舞いしたい気分に心駆り出されたけれども、
そこもまた『趣味の範囲』っす。
自分でも思った。
『趣味を貶されて人を殴って人生をないがしろにするのはどうなんだろう』って^^;
でも・・・平手打ちくらいはしたかったかなw
だってわざわざ言うこと無くね?
変な奴がいるな~でスルーするだけでよくね?
それをわざわざ私に聞こえるように言ってくるんだもん。
そりゃー抗議のひとつもしたくなるよね^^;
フラフラと歩き私の抗議にものらりくらりとかわす爺に辟易・・・
あんまり大げさにしてもしょうがないと、渋々取り下げて再び福原駅の駅舎へと戻った。
その後すかさずバイクに乗った駐在さんが駅周りをウロウロしたのは近隣住民さんの通報なのか何なのかは分かりませんっす(まあ、特に何も言われてないけどタイミング良過ぎw まあ・・・大きな声でしたしね^^;)
小山駅までの電車を待つ間、
私は屋根のある駅舎で、思い出したように雑誌をリュックから出して読み耽ることにした。
さっきまでのモヤモヤを忘れるように。
---定刻間近
ふと、私の目の前を通り過ぎ、駅舎から先ほどのおじいちゃんが小山駅行きのホームへと来た。
ここで丁度、折からの天気予報通りに雨がさんさんと降りだす。
その際に私を見つけたんだろうね。
バツが悪かったのか、おじいちゃんは、
私がいる場所を避け、雨が降り注ぐ中、
私とは一番遠いホームの先で雨に打たれながら小山駅行きの電車へと乗り込んだ・・・。
・・・だったら、
あんなこと言わなければいいのにい。
そんな雨に濡れるのなら難癖つけなきゃいいのに(もうこの時点では噛みつきもしないし気力も無い)
趣味ってのは他人には理解されがたいのはよくあること。
だからって『わざわざ貶すことは無い』よね。
というーか同電にはびっくりした(と言うか地元の人じゃねーのかよ!w)
雨が降らなければ・・・
おじいちゃんが難癖つけなければ・・・
と、思っていた『水戸線の他の煉瓦遺構』には次のお休みに行こうと思っています^^
廃線・廃煉瓦。
そこにそれ(煉瓦)はあるのです☆