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琴音の煉瓦刻印発見録♪『サッポロビール博物館の煉瓦の刻印☆』 [琴音の煉瓦刻印発見録♪]

『歴史的煉瓦・ビール・美味しい食事・そして煉瓦の刻印!

 

 煉瓦を求める者に対して、

 

 こんな最高条件を満たしてくれた煉瓦構造物って今まであったでしょうか?w

 

 ・・・ああ、ごめんなさい。

 私事ですのであしからずw

 

 北海道煉瓦シリーズ最後に向かった場所は『酒と涙と開拓使と煉瓦』がすべて凝縮された場所でした。

 ではではファイナルすたーとっす^^

琴音の煉瓦刻印発見録☆サッポロビール博物館.jpg 

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 苗穂・福山醸造株式会社の煉瓦倉庫群から西へと真っすぐ歩っているとソレはありやした^^

 

 もうこの時点でお腹の下あたりがキュンとする光景(*´д`*)

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 まるでテーマパークみたいな入り口(そうでもない?)

 いざ行きましょう!そうしましょう!

 

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 んぐああぁぁぁあー!!!

 どうやら正門口では無い方から来ちゃったみたいだけど、もう裏手側からしてイケメンな佇まい(*´д`*)

 

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 自販機も煉瓦チックでいいっすね(*´д`*)

 

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 せっかくなんで裏手側も舐めまわして行きやしょうず(*´д`*)

 

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 蛇腹にディンティルと装飾の意匠も立派!

 

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 壁面はイギリス積み。

 窯で焼いた時に煉瓦同士が重なった部分の焼きムラが見えた。

 こういうのは割と近代に焼いた煉瓦に多いっす。

 っつーことは外壁の煉瓦は新しいものも使われているってことかなあ?

(※サッポロビール博物館は1987年と2006年に外壁補修をしています)

 

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 見上げればデカデカと開拓使時代のシンボリックマーク『五稜星』が^^

 

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 ん?何あれ?

 

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 ああ~んなるほど。

 この建物が何であるか。

 この建物は『ビール大麦』がいかに関わったものなのかをアピールするものなのね。

 

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 さあ、いよいよ正面っす。

 

 さんざんもったいぶったけれどーーー

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 みんなご存知

『サッポロビール博物館』っすw

 

 言わずも知れた札幌観光の名所。

 ここに来れば『北海道開拓使、特に札幌の歴史』が見えてくる重要な存在。

 しかもビールも飲めてジンギスカンも食べれちゃう☆

 

 旅の終わりにここを選んだのは言わずもがなと言うことでネ!

 

 さて、

 今回はサッポロビール博物館での復刻クラシックビール試飲&ツアコンのお姉さまの説明付きの『プレミアムツアー』を申し込みました^^

 

 それまでにはまだまだ時間があるので、外観を見ながらこの建物の歴史なんぞを掻い摘んでいきやしょう。

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 明治初頭、政府は列強外国からの侵略に備えるべく、まだ人の手がいたらない原野が数多く残る北海道を国土開発、そして領土確定させるために開拓使を設立することになったとです。

 

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 北方警備と開墾の労働力として日本各地から屯田兵として移住してきた人たちの尽力もアリ、次第に人の手が付く明るい土地へと変化していきました。

 

 その中には才あるものも多く、北海道の歴史を築いたものも多かった。

(当初は全国に移民を募っていたけれど、後年にはもともと居住していた人たちに補助をするから開拓民にならないか?ってシフトチェンジすることになるけれど)

 

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 さて、開墾しただけでは生きていない土地

 そこで政府はその開墾地にて、産業、畜産や農業を奨励することにした訳でやんす。

 

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 その中で、のちに大都市となる札幌苗穂地区に『日本では初めての産業の息吹』が小さく、でも華やかに大地に芽吹かせることになります^^

 

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『開拓使麦酒製造所』設立(明治9年)

 

 後のサッポロビールの祖とも言うべき工場。

 

 官営による『どうせならば日本人による日本人の為のビールを造らないか!』と言う名のもとにこの地に集った人がいました。

 それはーーー

 

 技術者『中川清兵衛』

 開拓使官吏『村橋久成』

 

 この人たちが居なければ後の日本のビール産業はかなり立ち遅れたものとなっていたはずです。

 

 詳しい話は割愛しちゃいますが(煉瓦のお話がメインなので)このお二方の尽力こそが、

 当初、諸外国貴賓たちや日本の要人へのおもてなしビールから一般大衆へのビールへと広がりを見せたのはあきらかだったりするっす^^


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 さて、↑上の見取り図には総合受付のある『サッポロビール博物館』と(右側施設)、

 それにつながっている『開拓使館』(左手の施設)と、今現在は用途によって分けられてるのですがーーー

 

 元々は同一の煉瓦建築。

 

(博物館は文字通りビールの歴史を説明するブース。開拓使館は主に飲食などで使用)

 

 この煉瓦の建物は『元々はビール工場として造られた工場では無い』のでっす^^

 

 明治21年、官営の工場として甜菜から砂糖を製造する『札幌製糖株式会社』がこの地に設立。

 明治23年には立派な立派な赤煉瓦工場がつくられました。

 

 ---ですが・・・

 この札幌製糖は不祥事と、そもそもの原料の甜菜の仕入れに失敗。

 あえなく10幾年で閉鎖の憂き目に^^;

 

 そ・こ・に!

 

 大衆化が進みつつあったビール。

 それにつれて需要もうなぎのぼり!

 

 常々、工場増設して儲けてえー!と思っていた開拓使麦酒製造所(この頃には民間払い下げにより社名は札幌麦酒會社)にとって、

 こんな身近で最高の居ぬき物件が他にある訳ないだろ!!!

 

 ってことで、この製糖工場の赤煉瓦物件を買い取りましたw

 

 つまりは元々は製糖工場の居ぬき物件な訳っす^^

 

(※因みに札幌麦酒の第一工場群の跡地は函館本線を挟んで南側にあるサッポロファクトリー。

 このサッポロビール博物館がある場所は第二工場群です^^)

 

 さ~て、一通りザっと歴史を説明したんすがーーー

『煉瓦視点』で見て行くとしましょうず。

 

 この元・製糖工場跡。

 設計したのはドイツの設計事務所となっているのですがーーー

 これと同時期に建設された北海道庁赤れんが庁舎に細かいところで類似点が数多くあるらしいってお兄ちゃんに聞いていた私。

 

 っつーことわだよ!

 北海道庁赤れんが庁舎と同じ煉瓦が使われてる可能性ってことっすよね?

 つまりは旧道庁に数多く使われたとされる『鈴木煉瓦製造場』(明治17年創業)の煉瓦刻印が見つかればその証明っす。

 もしあるとするならば『〇にS』の刻印。

 ならばと、曇天貫く高い高~いサッポロビール博物館の煉瓦刻印探しをしてみることにしたのですよ^^

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 うー・・・首が痛い^^;

 と言うか、観光客が多い中で熱心に双眼鏡で煉瓦を見ている私に向けられる視線が痛いw

 

 本当はガッチリ時間の許すまで刻印探しをしたかったんだけども、

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 ツアーの時間が迫っていたので博物館内へと戻りやす^^;

 

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 ツアー開始場所までの道のりでも内観煉瓦や窓際煉瓦とかチェック!

 何度も改修されてるけれども、昔のまんまの煉瓦が絶対残ってるはず!

 

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 結局のところ、ビール博物館側では刻印らしいものは見つけられませんでした^^;

 

 でもこのプレミアムツアーは私的に是非推奨!

 この記事で端折ったこの博物館の歴史も、開拓使の歴史も、そして日本のビールの歴史も全部知ることが出来るから☆

 

 そして何と言っても最後に試飲の復刻札幌クラシックビールが飲めるのがいいのよ(*´д`*)

 

 結局『〇にSの刻印』ねーーのかよ!と、ここまで来て思ったんすが、

 そんな悔しさよりも今は食欲が上回っていた。

 

 ・・・なんせ朝から何も食べてにゃい・・・^^;

 

 私は最後にサッポロビール博物館でジンギスカンを喰らうと決めていたのでレストランを早速目指す!!!

 

 正確に言うと開拓使館。もしくはサッポロビール園

 と言うかさっきも言った用に、サッポロビール博物館も開拓使館も『同じ製糖工場赤煉瓦工場』だけどねw

 

 もしかしたらば通路が繋がってるのかもしれないけれども、一旦、博物館を出て開拓使館の入り口から突入。

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 ここは一階も二階も三階もレストランに改修されたとこ。

 

 元々は『隣の工場で今できたばかりの爽快なビールをどうぞ!』のコンセプトで出来た園内レストランでもありやす^^

(昭和40年頃から~)

 

 どのレストランでもいいかなあ~って思ったけど、

 11・30~15・00まで生ラムジンギスカン食べ放題のある2階へと行くことしたよ(*´д`*)

(※飲み放題込みで税込み3240円。)

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 ああ~ん、もお~おなかペコペコ。

 登る階段脇にも煉瓦が見えども突き進む私。

 

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 ん?

 あれ?

 

 ・・・踊り場付近で思わず立ち止まる私。

 

 それは私の歩みを留めるには十分に価値あるものだったのです。

 

 ちょっと背伸びして煉瓦を覗き込むとぉーーーー

 

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 うおおー!!!

 どこかで見たような『Eの刻印』が!!!

 

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 こっちにも同じのがありゅううー!!!

 

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 これはなんだろ???

 傷かな?

 でも怪しい!

 

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 探せばあるあるEの刻印たち(*´д`*)

 やっとこのサッポロビール博物館にも刻印を見つけることが出来て嬉しいと言うかやったね!と言うか安堵したw

 

 さてEの刻印。

 これは私が北海道に来てから見かけたことありますよね?

 それはズバリ、江別の屯田兵火薬庫跡っす^^

 

 あそこには鈴木煉瓦の〇にSの刻印以外に『Eの刻印』がありました。

 解説案内には鈴木煉瓦が使用されていると記述されていたので、同等の物が見つかった訳だし、

 ココこそが直に見て取れる『サッポロビール博物館も鈴木煉瓦製使用』って答えになる場所と思いやす^^

 

(Eの刻印が他工場の可能性もあるけれど、あんなに小規模な火薬庫にわざわざ別会社の煉瓦なんか使う理由も極めて低いしね)

 

 いや~ん。思わぬ発見で大満足(*´д`*)

 あ・と・は、空腹を満たすのみ!

 っつーことでレッツジンギスカンへ♪

 

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 食事時を過ぎていたせいか、広々とした館内にポツンと一人、席に通されたわたし。

 女子一人で焼肉ぱーりぃーってのも気が引けるんだけど、周りに気兼ねなく恥ずかしくもなくジャンジャン食べれそうw

 早速食べ放題飲み放題を注文っす(*´д`*)

 

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 素敵な内観に見とれているとーーー

 

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 やってきたきた生ラムちゃんたちいいい(*´д`*)

 

 焼けたラム肉をひとつ頬張ればーーー

 やだあ・・・

 めっちゃ美味しいんですけど!

 東京で食べるのと絶対違う気がするんだけどどうしてえー?

 臭みとかあると思ったのに全然気にならないし^^

 やっぱ本場は違うよね☆

 

 さて元を取るぞ!と躍起になっておかわり注文。

 そのうちに他のお客さんも増えてきやした。

 

 するとーーー

 こんなに広々として席もたくさんあると言うのに、

 なぜか私の席の周りに家族やカップルをご案内して周りを固められましたw

 ・・・さすがにボッチで食べてるの辛くなってきて撤収いたしやしたぞ^^;

(まあ~おなかも十分満腹だったしね。ビールも結構飲んだしお腹パンパンw)

 

 さあ、今日と言いますか北海道煉瓦旅もこれにて閉廷。

 後はホテルへ帰るのみでしたっす。

 

 だけどね?

 開拓使館を出ようとした時に『強烈に気になっていた場所』があったの。

 そこは、一階部分の窓際。

 だってそこにも刻印が見られそうな煉瓦の平面が突出してたからーーー

 

 だけども問題発生!

 なんとその窓際は喫煙所ブース内だった訳だわさ^^;

 

 わたしってば煙草苦手なんで躊躇してたんだけど、

 ここまで来て『可能性を捨てられない!』と意を決して、おじさまたちがスパスパしている喫煙所のブースに飛び込んだ!

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 灰皿の裏手が煉瓦の平面が見える窓際。

 

 ここで思わず私は煙草では無く息を飲み、カメラをリュックから取り出したんです。

 

 だってーーー

 ---

 ---

 

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 〇にSの刻印があるじゃんんんんんっ!!!

 だいぶ潰れてはいるけれども間違いなく鈴木煉瓦の刻印!

 

 まさかこんなところで・・・と思わず笑う私にオジサンたちも『何だろ?^^;』って顔してましたよw

 

 私は公的な職員でも学芸員でもなんでもない。

 だからプロのように権限も無く内部賢覧とか詳しい資料とか持ち合わせてもいないっす。

 

 でもね?

『一般の人でもちょっと頑張れば外観内観から刻印を発見して煉瓦の歴史を垣間見れるんだよ?』って言う、この煉瓦刻印発見の瞬間が大好きなの^^

 

 この刻印発見の数々。

 プロはとっくに見つけているのだろうけれど、それでもこの宝探しが私はとっても大好きっす^^

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 外に出るといつのまにか曇天から青空が広がっていた。

 やっぱり赤煉瓦は青空に映えますよね^^

 

 まだまだ見ぬ北海道煉瓦はたくさんありますが、それはまたいつの日かってことでここで閉幕っす。

 

 さて次回からは?

 徳島県・兵庫県の煉瓦たちをお送りするっす。

 今年の冬に行った徳島県の煉瓦構造物と淡路島洲本、そして要塞煉瓦もご紹介。

 ついでに近日に神戸へ出向くので神戸の煉瓦たちも紹介予定です。

 ではではまた今度お会いいたしやしょうず(*´д`*)

 


 


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